実は元保育士である僕ことハリー。
今日は子ども同士のおもちゃなどの貸し借りのやり取りでよく見られる「かして」「いいよ」について大人に置き換えてみたいと思います。
もくじ
保育園でもあるあるだった「かして」「いいよ」のやり取り
僕が保育士になる前は当たり前のようにあった(らしい)
おもちゃなどを「かーしーてー」と言ったら「いーいーよー」と言う文化。
僕が保育士になりたてだった頃、長く勤めているパートさんたちは子どもたちのやり取りの中で「かしてって言うんだよ」「いいよって言ってあげて」「貸してあげて」と教えていました。
けれど「かして」と言われたことに対して無条件で「いいよ」と言わされる子どもの心境に立った時に、これって恐喝の1種では?と思ってしまったのです。
「かして」と言われてあなたのパソコンを「いいよ」と貸せますか?
このやり取りを大人に置き換えてみたいと思います。
あなたは今仕事中です。
パソコンで書類作成していたとしましょう。
さあ仕事がノッてきました。これなら締切に間に合う…!
そんな時に同僚から「そのパソコン貸して」と言われたらどうですか?
貸したくないですよね。今絶賛使用中ですもんね。
他にも、例えるならあなたのスマホを他人に「いいよ」と貸してあげられますか?
嫌ですよね。
子どもにとって今使っているおもちゃはとても大切なもの。
後で返してもらえればまた使えるから大丈夫…ではなく、今が大切なんです。
無理矢理取り合ってほしくないから「かして」「いいよ」を言わせてしまっている
そもそもなんで貸してって言われたらいいよって言ってほしいのでしょうか。
そこにはきっと大人の「ケンカをしてほしくない」という思いがあると思います。
更にそこには「相手にケガをさせてほしくない」という思いなどがあると思います。
親としては責任問題とかになって嫌ですもんね。
あとは、例えば自分の子どもの持っているおもちゃを公園で会った子どもに貸してって言われた時。
親としては(いつでも家で使えるんだから貸してあげればいいじゃん)という考えが浮かんだりしますよね。
けれど今、その子が使っているおもちゃを取られるのは、それこそあなたの使っているスマホを取られることと大差ないのだと僕は思うのです。
いやなものは「いや」と言える人間に
大人になってもイヤイヤ期、なんでもかんでもイヤイヤ言ってたら笑っちゃいますけど、まだ子どもなんです。
小さい頃に自分の「いや」という思いを受け止めてもらえなければ、それこそ大きくなったときに(どうせ私の話なんて聞いてくれないんでしょ)と誰にもやさしくできなくなってしまうかもしれません。
いやな時の「いや」という言葉を受け入れてもらえている子どもは、本当に「いいよ」と思ったときに自ら貸すようになるんです。
「かして」と言って断られたら
貸してという言葉は悪い言葉ではありません。
貸してと言う子どもだって、本気で相手の持っているものが欲しいから言うんです。
けれど、断られた時には怒ったり、悲しくなったりすることがあると思います。
そんな時には「欲しかったね」「使いたかったね」と貸してほしかった気持ちを受け止めてあげてください。
きっと(僕の気持ちを分かってくれるんだ…)って少しほっとすると思います。
その上で「今は貸したくないんだって」「大事大事だから貸したくないんだって」と貸してあげたくない子の気持ちも伝えてあげてください。
最初は納得いかなくても、繰り返すうちに(そっか、今はいやなんだ)(僕もそういう時ある)と分かってくるようになるはずですから。
「かして」に対して「いいよ」と言わなくてもいい(まとめ)
どうですか?
子どもが貸してと言われた時に「いいよって言ってあげて」とあなたなら言いますか?
もちろん貸してもいいとその子が思うなら「いいよ」と言っていいと思います。
けれど、その子が「いや」と思うならその気持ちを大切にしてあげてくださいね。